
本邦における美容外科手術において埋没式重瞼術の占める割合は非常に高い。この方法は術後の腫れが少なく、創痕も残さず、重大な合併症もほとんどないほどの点で優れた方法である。しかし、短所が全くないわけではなく、その中でも頻繁に見受けられるのは重瞼ラインの消失、狭小である。勿論、無理なデザイン、患者の体質などの適応を無視した際に多く見られるのは当然であるが、実際には患者の希望によりどうしても本法で行わざるをえない場合も多々ある。とりわけ重瞼ライン消失の可能性を軽減すべく、様々な工夫を重ねてきたが、現在演者らが行っているmultiple knot法(以下MK法と略す)についてその術式の詳細を報告する。
2000年2月より386例にMK法を施行した。MK法は通常7-0ナイロンを用いて多くの術者が行っているように皮膚側と結膜側を結ぶループを作るが、この際皮膚側(皮下)に3~4ヶ所のknot(結び目)を作ることがポイントとなる。皮下のknot周囲には肉芽組織がからみつきその固定性が強固となるが、そのポイントを3~4ヶ所作ることにより重瞼ラインの消失率を定価させようという理論である。
重瞼ラインが消失した場合に必ずしも施術したクリニックに戻ってくるとは限らず、また適応的に難しいケースに行うかどうかということにも関係し、その統計的信頼性はやや乏しいが、本法施行した386例中、重瞼ライン消失したのは12例、3.1%という成績であった。follow-up期間は短いが印象的には諸家の報告にある術式より重瞼ライン消失率を軽減できるものと考える。
埋没式重瞼術の最大の課題である重瞼ライン消失率低下を目的としてMK法を施行している。その術式と同時に、施行時の様々な工夫について詳細に報告する。
整容的に満足の得られないプロステーシス豊胸の原因のひとつに位置の問題がある。このうち下方偏位は、左右差や上方偏位と比べて、まだ見映えは良く、むしろやや下がり気味を好まれる方もあり、修正の対象からはずれる事も多い。ただし、左右差における低位拙劣や、極端な偏位は当然、看過されるものではない。この様な場合の対応策として、アンダーバストのベストライン上の数ヶ所に、スキンピンホールを穿ち、皮膚と直下の肋骨骨膜間にサークル縫合を行って埋没させる(我々はこれを埋没アンダー糸固定と称す)非常に簡便なる手技で好成績を得ており、これを報告する。
2000年3月から、2001年10月まで当院で施術した23例。
縫合針によるバック破損1例。これ以外は特別な合併症もなく良好な結果が得られた。
埋没アンダー糸固定法は、特別複雑な操作や、特殊な麻酔、道具を必要とせず、簡便で確実な位置修正法と考える。ただし全てのケースを同列一様に扱うことは出来ず、施行のタイミングや、プロステーシスの種類(特に膜面性状)の相違などに注意を払わねばならない。今回は、これらの点についてまた、内、外側への過剰剥離例への応用も合わせて検討する。