
鼻形成を希望される患者の悩みはさまざまであり、演者はアプローチ方法としてclosedとopenを症例に応じて使い分けている。初回手術で定型的な症例にはclosedを適応し、初回手術でも複雑な手技を要する症例、また修正手術においては積極的にopenを適応している。今回openによる術式を適応した連続5症例を供覧し、それぞれの術式の詳細とopenの意義を検討する。
演者がopenを適応するのは、初回手術では鼻骨、外側鼻軟骨、鼻中隔軟骨に操作を加えるような症例で、代表的なものとして段鼻、斜鼻、短鼻などが挙げられる。また2回目以降の修正症例も初回手術にて正常解剖構造が破壊されているため、確実にオリエンテーションをつける意味でも好んでopenを適応している。
難症例に対してopenを適応し、概ね満足すべき結果が得られた。とりわけ非対称な鼻(斜鼻を含む)に対してはcloseでは限界があり、積極的にopenで行なうべきである。鼻中隔の矯正、大鼻翼軟骨・外側鼻軟骨への正確な操作は術野の展開という意味ではclosedと格段の差があり、openは絶対的優位である。openの不利な点としては、鼻橋部の瘢痕、鼻尖部を中心とした腫脹の遷延、手術時間の延長などが考えられるが、いずれも大きな問題とはならなかった。
open,closeに関わらず、鼻形成術は美容外科手術の中でも難易度の高い手術のひとつである。欧米のテキストではこのrhinoplastyに最も多くの頁をさいていることからも、奥深い分野であることがわかる。演者の行なった連続5症例においても必ずしも1回で良い結果となるわけでなく、修正を加えて満足すべき結果となった症例もあり、反省点も含めて報告する。
赤唇部の拡大を希望する患者に対しては近年、ヒアルロン酸をはじめとするfillerによる治療が多く行われているが、運動性に富む部位であるためfillerの吸収速度が速く、非吸収性のfillerには問題が多い。また、自家脂肪移植の生着率も低い部位であるため、永続的な効果を求める患者には外科的手術療法も選択されることになる。今回われわれは粘膜弁形成による口唇拡大をおこない、良好な結果を得たので報告する。
赤唇部の拡大を目的としてwet lip内で3 V-Y advancementを行った。また、加齢に伴う白唇部の延長をみとめる症例にはParanasal lip liftを適宜追加している。
平成12年10月より19年4月までの6年6ヶ月間に14名の患者に対し、上記の方法による口唇拡大術をおこない、良好な結果を得た。うち8例では1年以上のfollow upをおこなっているが、いずれの症例も術後明らかな後戻りや変形はみとめていない。
赤唇を拡大する手術についてはこれまでいくつかの報告があるが、大別すると白唇部の短縮により赤唇を引き上げるものと赤唇粘膜の進展術の二種となる。われわれはwet lip内の手術操作になるため、術後瘢痕が見えないのを大きな利点として主に3 V-Y 粘膜弁形成術を選択している。
今回の対象症例では、単に口唇を厚くしたいという患者のみならず上下左右の赤唇の厚みの修正例や加齢による赤唇の非薄化、または上顎骨骨切り術術後の中顔面の変形に伴う赤唇部の非薄化の症例に対しても良好な結果を得ることができた。
目をより大きく見せたいという目的から眼瞼下垂手術、目頭切開術などを施行し、さらにそれ以上の大きさを希望される方が存在する。また、つり目を改善したい、下眼瞼の形態の左右差を改善したいなどの希望がある。これらの患者に対し、我々は下眼瞼中央から外側を下方に降下させ、瞼裂高を増大する術式行っている。
2005年2月より2007年5月までに手術を施行した45例(平均年齢23.9歳、男性2例、女性43例、平均follow up期間10.2ヶ月 )。局所麻酔下あるいは静脈麻酔下に、下眼瞼瞼板外側下縁で結膜を切開し、円蓋部まで結膜下で剥離する。角膜の外側縁から外眼角にかけて瞼板下縁とlower eyelid retractorのtuckingを、下制の程度を確認しながら行った。さらに下制の程度にあわせ下眼瞼皮膚切除を睫毛直下で行った。
本術式により、瞼裂の自然な形を損なわず、瞼裂高の増大が得られた。印象として眼球陥没傾向の患者は、下制の程度は軽度であるが、皮膚切除の効果で睫毛内反の改善が得られ、眼球突出傾向の患者は、しっかりと下がりやすい傾向を認めた。希望により局所麻酔下に手術をおこなうことで、患者の希望する微妙な変化にも、術中直接鏡で確認することで対応可能であった。角膜下縁におけるscleral showは認めず、内・外反、その他の合併症もなく、すべての患者において満足が得られた。
我々は下眼瞼外側を下制することにより、瞼裂外側を縦方向に拡大し、目を大きくするという希望に応えることができた。また、つり目をたれ目にしたい患者、下眼瞼形態の左右差を整えたいと願う患者に対し、満足度の高い結果が得られた。