
顔面輪郭形成において、下顎角形成術を希望される患者は多い。 近年男性患者が増えてきているが、女性とは異なり下顎角を完全に失くすのではなく、自然なエラを残しつつ目立たなくすることを希望されることが特徴である。従来より報告の多いオシレーティングソーによる下顎角骨切り術では下顎枝後縁で骨切り線が垂直方向となるためこの目的を達することが難しく、下顎形成というよりむしろ下顎角喪失となることが多い。そこで演者はコントラアングルによる水平方向の骨切りと内視鏡を導入することにより良好な結果を得ることができたため報告する。
2000年2月より2007年10月まで当院で下顎角形成術を行なった678例のうち、男性患者70例に関して検討する。
全例全身麻酔下、口内法にて下顎角形成を行なっている。男性患者においてはセファロ上 gonial angle 110°〜120°, mandibular plane angle 25°〜35°を目安に骨切りを行なう。下顎角部、下顎枝後縁は術者さえ直視下に確認できないことも多く、内視鏡は本法の重要な武器となる。
内視鏡を導入後は以前と比べ骨切りの安定度が増し、切除骨片はおよそ術前プラン通り切除することが可能となった。男性患者においては術後の mandibular plane angle を30°前後に設定することにより自然な下顎角を温存することができた。
従来より報告されてきた下顎角形成術は狭い術野の展開ゆえ下顎角を直視下に確認できず、盲目的骨切りを余儀なくされることも多々あった。そのために過剰切除、左右差、ときに骨折などさまざまな合併症を引き起こすことになる。本法は安全かつ確実な骨切りが行なえ、男性患者においても自然な下顎角を残しつつ、左右差の改善を含めその形態を整えることができる優れた術式であると考える。
鼻の形態を愁訴に美容外科を訪れる患者の鼻部の特徴として、低鼻、短鼻、鼻柱挙上、急峻な鼻柱口唇角などがあげられる。これらの改善目的に、鼻中隔延長術が行われているが、その延長材料、延長方法は、目的に応じ様々である。希望する形態に応じ、適した移植材料、方法を検討したので報告する。
鼻を高く長くしたい、鼻先を下へ向けたい、鼻柱を下げたいなどを主訴に来院し手術を行った患者114症例、男性14例、女性100例、平均年齢29.6歳。全身麻酔下、あるいは静脈麻酔下にopen approachにより鼻尖部を展開し、鼻中隔軟骨を露出する。鼻尖の高さ、向きを調節することが主目的の場合には、caudal extension graftとして用いる。鼻柱を下降させる、鼻唇角の改善を主目的とする場合には、extended columellar strut graftとして鼻中隔延長術を行った。
本術式により、短鼻の改善、鼻柱の下降など、目的とする形態が概ね良好に得られた。鼻中隔延長術に用いる軟骨の採取部位は、鼻中隔軟骨5例、耳介軟骨85例、肋軟骨24例であった。隆鼻術を併用した患者は74例であった。イメージよりも高すぎる、あるいは若干傾くなどで修正術を要した症例が20例あった。