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ホーム > 学会活動 >第32回日本美容外科学会総会

学会活動 活動報告

【9月25日-26日 第32回日本美容外科学会総会】

「下眼瞼下制術〜瞼裂高を増大させる新しい発想・術式〜」東京院 院長 広比利次

目的

『眼を大きくしたい』という要望に対して一般的に行なわれる手術法としては、重瞼術、眼瞼下垂手術、目頭・目尻切開等が挙げられる。これらの手術では限界があり、必ずしも患者の要望に応えられるわけではない。そこで演者らは下眼瞼縁の形態に着目し、適応を選択することにより患者満足度の高い新しい術式を考案した。

方法

1.眼を大きくしたい 2.つり目を改善したい 3.垂れ目の優しい目にしたい 4.眼の左右差をなくしたい という希望の患者を対象とし、2005年11月より2009年5月まで96名(男性 4名, 女性 92名 平均年齢 25.0歳)に本術式を施行した。

方法

通常静脈麻酔下に手術を行なう。虹彩の内側から外眼角部にかけて 睫毛ラインより2mm離して皮膚切開を行ない、4〜8mm幅の皮膚切除(症例に応じて一部眼輪筋切除も追加)を行なう。 切除幅ピークの位置は患者の希望、術前の下眼瞼縁の傾斜に応じて決定する。続いて結膜側は瞼板下縁にて粘膜切開を行ない結膜を約1cm剥離し、瞼板とlower eyelid retractorsを4-0PDSにて3針タッキングを行なう。外反、内反、左右差等を確認した上で手術を終了する。

結果

ほぼ全例満足すべき結果が得られた。4例の患者において低矯正、また1例で左右差を理由に修正手術を行なった。合併症としては一過性であるが結膜浮腫、結膜下出血が術後1〜4週間認められることがある。術直後に複視を訴えた患者が2名いたがともに翌日には正常に回復した。

考察

本手術は単独で行なうこともあるが、上眼瞼手術、目頭手術と組み合わせることにより『眼を大きくしたい』という要望に対して非常に満足度の高い手術法である。従来より眼瞼手術においては下眼瞼縁の形態を論じられることが少なかったが、そこに焦点を当てた瞼裂高の増大が行なえる安全で確実な術式である。

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「3次元的鼻尖形成術の重要性」
(特別プログラム)東京院 院長 広比利次

目的

鼻尖形成術の効果を論じる際に正面・軸位の術前後比較写真に焦点が当てられることが多い。一般的に広く行なわれている左右の鼻翼軟骨同志を縫合する術式は正面・軸位2方向では良好な結果となることが多いが、斜位・側面においては術前よりむしろ丸くて鈍な形態となることも少なくない。患者の望む”シャープな鼻尖”というのは必ずしも正面から鼻尖幅を細くすることではなく、斜位・側面において鼻尖の突出点を明確にする必要がある。そこで3次元的に鼻尖を美しく形成する方法について検討する。

方法

鼻尖形態を観察する際に正面のみでなく、必ず側面の形態を評価する。 1)鼻尖の高さは十分か 2)鼻尖の最突出点の位置は上がり気味か、下がり気味か 3)突出点の曲率は正常か  などを分析する。手術デザインは美的基準に基づくが、患者の希望を最優先とする。 アプローチは open , closed を適宜使い分けている。 基本的戦略として鼻翼軟骨を中間脚から3〜5mm外側脚に入ったところで切断し、鼻翼軟骨の連続性を断った上で切断端を翻転させ、中間脚、内側脚の縫合を行なう。これは鼻尖に突出点をつくり、polly beak変形を防ぐためである。その際に各種軟骨を補強のために移植し、鼻尖の高さ・位置を調節している。

結果

重症度に応じて、また患者の希望する変化の度合いに応じて適切な術式を選択することにより、概ね良好な結果が得られた。合併症としては移植軟骨の偏位による左右差が最も多く、皮膚が厚く硬い症例では手術効果の限界があり、満足度が低かった。

考察

鼻尖挙上は安易に考えられるが、実際には術後の後戻りが見られる傾向があるため、open法での確実な固定が必要である。逆に鼻尖下降は患者にとって実際の数値上の変化以上にとらえられることもあり、やや低矯正ぎみに仕上げるのが無難である。

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「眉毛の理想の位置と術式の検討(眼瞼周囲をaesthetic unitとして)」東京院 田中真輔

目的

眉毛位置に着目したantiagingを考える。上眼瞼のたるみに対しては、上眼瞼切開や眉毛下切開、または前額リフト、さらに術式の併用も考えられる。術式によっては眉毛位置が移動することも念頭に入れなければならない。そこで眉毛を理想の位置にする術式を選択する必要がある。デジタル処理により眉毛の理想の位置を検討し、最適の術式とはいかなるものかを実際の症例を供覧しながら考察する。

方法

一人のモデルに対し眉毛の位置・形と顔の輪郭に絞り、フォトショップを使いデジタル処理を行い、それぞれにパターンを作り画像を作製する。印象について美容外科医30名、一般女性30名にアンケート調査を行う。統計の結果より理想の眉毛位置を検討し、計測ソフトmirror (株インテグラル)でその位置を測定する。この結果より当院で行った上眼瞼切開、眉毛下切開、前額リフトの代表的症例で術前術後の眉毛の変化を調べ、術式を検討する。

結果

概ね理想の眉毛位置は、内側は眼窩縁直上またはやや下方、高さのピークは外側にある。眉毛下切開で眉毛固定をしない場合、眉毛位置は下垂する。上眼瞼切開で余剰皮膚を切除すると、前頭開瞼を行う必要がなくなり同様のことが生じる。逆に前額リフトの場合は眉毛挙上術であるため、眉毛下垂を伴った上眼瞼皮膚弛緩の症例にはよい適応であり、文献的に術後眉毛位置は5~6mm挙上するとされている。しかしどの術式であれ術後の眉毛位置を正確に予測するのは困難である。

考察

理想の眉毛位置は年齢、顔の輪郭、開瞼の大きさ、流行等々で異なり、また感覚的な要素も含み一様には言えないが、理想の眉毛位置の基準を定め、術前に把握できれば術式の選択に役立つものとなる。前額や上眼瞼皮膚弛緩や眼瞼下垂により前頭開瞼を行っている症例では術後に眉毛が下垂することが多く、この場合術式によっては理想の位置に眉毛固定が必要となる。眼瞼周囲の手術では総合的に検討して一つのaesthetic unitとして術式の検討を図る必要ある。

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「乳房インプラントの被膜拘縮に対するZafirlukast(アコレート®)・Vitamin E(ユベラ®)の予防効果の検討」東京院 飯田秀夫

目的

乳房インプラントによる豊胸術は結果の安定性から広く行われている方法である。しかし、人工物であるインプラントを使用するために被膜形成は避けられず、時として拘縮を来たしインプラントの抜去や入れ替えが必要になることがある。被膜拘縮の予防としてはマッサージや体外式超音波などがおこなわれて一定の成果を上げているが、手間や設備を必要とするという欠点を有する。 2002年、喘息の治療薬であるZafirlukastが被膜拘縮に対して有用であるとの報告がなされた。当院でも2004年より術後の被膜拘縮予防としてZafirlukast・Vitamin Eの内服をおこなってきたので、その有用性を調査した。

対象・方法

インプラントによる豊胸術後にZafirlukast・Vitamin Eの内服を行った患者を対象とし、内服期間、Baker分類による被膜拘縮拘縮の程度、インプラント入れ替えや抜去などの追加処置の有無を調査した。なお、インプラントはテクスチャータイプのコヒーシブシリコンインプラントの腋窩挿入を基本とし、術後マッサージは一切おこなわなかった。

結果

対象患者は75例、平均年齢は36.4歳、平均経過観察期間は19.2ヶ月、内服期間は1〜9ヶ月、平均3.17ヶ月であった。拘縮の程度は、BakerⅠ・Ⅱ度が71例(94.7%)であった。BakerⅢ度の拘縮は4例(5.3%)で、うち1例は入れ替え症例で術後に血腫形成をきたし、最終的にインプラントを抜去した。他の3例は内服を5〜6ヶ月に延長することによりⅡ度に軽快した。Ⅳ度となったものはなかった。

考察

Zafirlukast・Vitamin Eを内服した症例でⅢ度の拘縮となったものは最終的には75例中1例(1.3%)ときわめて低い割合であった。インプラントの性状や挿入する層などの関与も考えられるものの、Zafirlukast・Vitamin Eの長期内服による改善も見られることから術後の被膜拘縮予防として有効であると考えられる。

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米国ベーカー・ゴードン美容外科シンポジウムに参加して
(特別プログラム)東京院 院長 広比利次

Baker Gordon Symposiumは、毎年2月にフロリダ州マイアミで3日間開催される。学会参加ドクターは欧米を中心に、南米、アジアなどから600名ほどで、美容外科においては世界最高峰の学会と思われる。 学会はその年毎に大きなテーマを3つほど決めて、その分野の権威といわれるドクターを3名ほど招聘し、彼らによる講演、live surgery(video含む)が実施される。特にlive surgeryは時差14時間による眠さを忘れさせてくれるくらいに感動的なものである。外科医が成長する過程において大事なことは、“上手な手術を沢山みせてもらうことである”とは、まさしくこの学会をいうのであろう。また本学会の最大の楽しみは、世界最高水準の外科医によるlive surgeryの結果を数年、数十年と追っかけて、術後写真として供覧してくれることにある。但し、このセッションは名誉あるドクター達にとっても針の筵となる可能性がある。そのほか米国の学会に参加して感じたことをもとに、わが国の美容外科が発展し、優秀な美容外科医を数多く輩出するための提案をさせていただく。

【1】
我が国の美容外科医は解剖学的知識に乏しく、これは外科医にとっては致命的である。米国ではベテラン外科医でも手術に必要な解剖を遺体解剖で学んでいる。我が国でも新鮮遺体による解剖、手術手技の勉強会ができる機会が増えれば良い教育機会となる。

【2】
我が国の学会も海外からの招待講演は行っているが、さらに実際のlive surgeryをできるようなシステムにできないだろうか。“百聞は一見にしかず”で、実際の手術を見ることが重要である。

【3】
ベーカーゴードンのlive surgeryのように長期的な結果が見れるような学会があれば、毎年でも参加したくなる。

【4】
我が国の若手医師も積極的に海外の学会に参加し、勉強すべきである。より知識を得るために英語力を引き上げる努力が必要となる。

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