このコーナーは、リッツ美容外科東京院広比院長が多忙な毎日を過ごしている傍ら、美容医学に対する思いや信念を様々な角度から捉えたことをコラムにしてご紹介するコーナーです。

本年は2月5日~7日、マイアミ・ハイアットリージェンシーホテルにて、第38回ベーカー・ゴードン・シンポジウムが開催されました。
私と高松院院長・古屋富治雄先生はひと足早く2月1日よりマイアミに向けて飛び立ち3日間ほどアメリカ最南端のリゾートアイランドであるキーウエストでバカンスを過ごしました。マイアミからキーウエストまではレンタカーを借りて7mileブリッジという海に浮かぶ限りなく美しい一本道を4時間ドライブしキーウエストに到着しました。気温は昼間は30℃を超え夏を感じましたが、あいにく体調不良(日本から風邪をひいていった)と時差(日本とは14時間の時差があります)のため、ホテル内に寝ていることで、あっという間に3日間は過ぎていきました。勿論、主たる目的は学会参加であったため、この温暖な気候により体調が回復したのは大変有難かったと思います。
2月4日にはマイアミに入り、いよいよ2月5日朝8:00より第38回美容シンポジウムに参加し、会場には500名を超える聴衆の熱気で溢れていました。アメリカ国内から参加する医師がほとんどでしたが、その他ヨーロッパ、アジアからも少し。我々日本人は(折登先生・水野先生と我々2名)総計4名とやや寂しい感じがしました。折角世界有数の美容外科医たちの手術を実際に見ることができ、意見を聞くことができる有意義な学会であったわけですから。今回の学会はFace liftとバスト(主にreduction)に焦点がしぼられていました。日本で行われている学会との最大の差はLive surgeryといって、近くの病院(Mercy Hospital)でパネリストの医師たちが実際に手術を行い、それが会場の大型スクリーンに映し出され、見ることができることにあります。勿論手術中にも質問でき、手術終了後にデモを行ったドクターは会場に戻ってきてまた、会場からの質問に答えるという形式で行っていました。
世界の今をときめく美容外科医たちの手術を実際に拝見したところ確かにその道のauthorityと呼ばれる医師たちは同一の手術を過去数百~数千例レベルで行っているため、大変手際良く短時間で手術を終了していた印象です。antiagingとしてFace lift、blepharoplastyに関しては初日、3日目にJames M.Stuzin,M.D. Glenn W.Jelks,M.D. Daniel C.Baker,M.D. Fritz E.Barton,Jr.,M.D. J.William Little,M.D.らの卓越したテクニックを実際に見ることができました。
Face liftに関しては、SMASの処理、切開ラインを含めて講師たちと聴衆を含めた積極的な質問、討論が交わされました。全般的にみるとDaniel C.Bakerの考えるsmall invasive Technique(lateral SMASectomy、limited incision)が支持されているようです。
Breast reductionに関しては、David A.Hidalgo,M.D. Elizabeth J.Hall-Findlay,M.D. Albert de Mey,M.D.の3名による手術デモがありましたが、すべてshort scarを意識したvertical reductionを行っていました。ひと昔前の大きな瘢痕を残すreverse T incision、プリーツの問題が残り、乳輪が大きく開きやすいround block法は見ることがありませんでした。
西洋人はscarがきれいになることにより、切開線の長さに関して東洋人(特に私)とはこだわりが違うとずっと感じてきたのですが、今回のシンポジウムに参加してFace liftにせよBreast reductionにせよ西洋人においても切開線を短くしようとする方向に向かっていると感じました。
この学会に参加し、内容を理解するにはそれなりの英語力が必要になりますが、日本の若い形成外科医、美容外科医も積極的にこのシンポジウムに参加され、刺激を受ける必要があると思います。
また、日本の学会もこのような形式で聴衆にlive surgeryを見せ、その場で討論が出来るような運営が出来ないものかと考えさせられました。日本の学会では感じることのない聴衆も参加し、討論する熱意を感じました。勿論モニター患者のfollow upを数年間見続けられるわけで、理論だけではデモ術者になれないことは明白で本当の実力のある医師だけが生き残れるシステムであると痛感したことも事実です。
最後に私がこのシンポジウムに参加しようと道標をつけてくださり、また会場でお声がけいただき夕食までご一緒にさせていただきました折登岑夫先生に心より感謝致します。